Webマーケティングは宣伝部だけの仕事ではない (All-in-One INTERNET magazine 2.0)
10月4日、米国のネット広告の業界団体であるIABは、米国のネット広告の第二四半期売上が過去最高の51億ドルに達したと発表した。約25%の対前年伸び率だそうだ。日本でも、昨年度の売上は約3600億円であり、年間29%の伸びとなっている(電通発表)。ネット広告は2004年にラジオ広告を上回ったが、今年は雑誌も追い抜こうとしている。
弊社の発行している「インターネット白書2007」のネット利用者調査では、1日1時間以上利用しているメディアは、ネットが77%でテレビの72%を上回った。さらに、ネット利用によって利用が減ったメディアは、テレビ37%、雑誌29%、新聞24%…と続く。つまり、消費者が情報を得るために接触しているメディアが、伝統的メディアからネットに移行しているのである。ケータイまで含めると、この傾向はさらに顕著になることだろう。
このネット広告の増加を聞いて、「宣伝部マターだから関係ない」と思われたとしたら、事態を甘く見ておられるかも知れない。前記した数字は純粋に広告費用を算出したもので、Webに関係する制作費や販促費などを加算するとさらに大きな数字になる。いまやWebは「広告」だけでなく「マーケティング」全般をカバーするメディアチャネルになりつつある。
マーケターがWebを中心メディアの1つとして数えることが当然な時代ですが、Webの世界で何が起こっているのかを知らずにマーケティングに薄っぺらく取り入れるようなことになると効果がないと思うわけです。マーケターにとってTVはこれまで重要な広告の場だったし、今後しばらく重要性は一気に落ちないのかもしれないけど、TVの周りで起こったこととWebの周りで起こったことは根本的に違っているというのが僕の考えで、従来のマインドセットでWebを取り入れるというのはよくないと思うのです。
TVの周りで起こったこと、それはつまり「集中」でした。大きなメディアに全てが集まる構造です。コンテンツ・オーサーとメディアの力関係は当然メディアに傾かざるをえない。または、メディア自体がコンテンツ・オーサーになって大きな影響力を持ったわけです。そこに対する広告の絡み方は常に広告代理店を通すもので、ここに大きな力があった。でも、Webの周りで起こっているのはそういうことではない(と、信じている)。無数のコンテンツ・オーサーが大きなメディアに頼ることなく表現の自由を享受・行使しているという構図があるわけで、灰色で不透明なものがない、うそがつけない世界が広がっていると思うのです。

Ryosuke Takeoka
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